自閉症における知覚学習:過剰な特異性と可能な治療法

Harris, H., Israeli, D., Minshew, N., Bonneh, Y., Heeger, D. J., Behrmann, M., & Sagi, D. (2015).
Perceptual learning in autism: over-specificity and possible remedies.
Nature Neuroscience, advance online publication.

柔軟性の欠けた行動は,自閉症スペクトラム障害のコアとなる特徴であるが,その基礎となる原因は分からない.我々は知覚学習プロトコルを用いて,ASD の当初は効率的な学習が,ターゲットの位置が変化すると異常な学習率の低さを見せる(過剰特異性)ことを観察した.刺激の反復を減らすことで,過剰特異性は消失した.我々の結果は,柔軟性の欠けた行動は,感覚学習においてすら見られ,ASD における普遍的なものかもしれないが,しかし,特別にデザインされた刺激プロトコルを用いることで克服可能かもしれないことを示唆する.