数知覚におけるトポロジーに基づく単位

He, L., Zhou, K., Zhou, T., He, S., & Chen, L. (2015).
Topology-defined units in numerosity perception.
Proceedings of the National Academy of Sciences, 201512408.

数覚仮説によれば,数とは,色やコントラスト,方位のように「根源的な視覚特性」であるとされる.しかし,いったいどのような刺激特性が根源的な視覚特性であり,数覚における数を規定しているのか? 数知覚における不変性を検証するために,提示の特性(方位,色,サイズ)を統制しながら,適当で不規則な形の中で繋がった/囲まれたアイテムの数を操作した.被験者は,さまざまな提示時間における少数・多数のアイテムについて識別,推定,等数判断課題を行った.結果は一貫して,繋がった/囲まれたアイテムは,ロバストな数の過小評価に繋がり,その数に対して短調増加する形で過小評価が生じるというものだった.対照的に,色の類似性に基づいたグルーピングは数の判断に影響を与えなかった.数,あるいは,数覚において数えられる根源的な単位はトポロジカルな不変項,たとえば結合性や外側/内側関係によって影響されると提唱する.行動指標に加え,頭頂間溝における数への神経チューニング・カーヴが fMRI 順応によって取得された.チューニング・カーヴは,頭頂間溝に表象された数はトポロジーに強く影響されることを示している.